保育園の備品を壊した子どもの保護者への伝え方

保育園の備品を壊した子どもの保護者への伝え方

保育園の備品が子どもによって壊されるのは日常茶飯事です。

しかし、老朽化していた所でたまたま子どもが何らかの衝撃を与えて偶然壊してしまったのか、壊す事を目的に故意に壊したのかで対応は大きく変わってきます。

今回は、子どもが保育園の備品を壊してしまった場合の保護者への報告の仕方について紹介していきます。

偶然壊してしまった場合

まずはよくある偶然壊してしまった場合です。

子ども達に物を大切に扱う事の必要性を教える為と同時に、なかなか予算がない為に、よっぽどの危険が無い限りは古い玩具や園舎、遊具を使い回します。

ですから当然遊んでいる内に寿命が来て壊れてしまう事もあります。

0歳~1歳の乳児であればほとんど壊したという認識はないので、怪我の有無を確認する程度で保護者には特に報告する必要はありません。

しかし、2歳児になると「物が壊れた」「自分が壊してしまった」という認識が頭の中に出来上がるので、「自分のせいだ」と責任を感じてしまいます。

その罪悪感を保護者に報告し、保護者も「うちの子がとんでもないことを!」と大袈裟に捉えてしまう場合もあります。

そうならない為に、保護者へお迎えの際には、「お母さん、今日〇君が遊んでいる時に偶然〇が壊れてしまって、とても〇君を驚かせてしまいました。ごめんなさい。」と、壊れる前に保育士が気付けなかった落ち度を謝りつつ、子どもは悪くないというニュアンスで物が壊れた事を伝えます。

そうする事で、家で保護者が改めて子どもから報告を受けても、保護者も受け流す事が出来ます。

故意に壊していた場合

故意の場合は問題です。

幼児に近付くにつれて、段々と「これは壊れそう」と物の脆さに気付く事が出来るようになります。

そこで壊れそうな物に怯えたり、回避をするようになります。

そうして危険回避の能力も同時に身に付けていくのですが、敢えて壊れそうな物を手に取って壊してしまう、普通とは違った使い方をして物を壊そうとする姿勢には要注意です。

一回目では保護者に要らない心配をかけてしまうので報告する必要はありません。

しかし、物を壊すのが二回目になったり、明らかに乱暴に物を扱うようになった時には保護者への報告が必要となります。

何故なら、子どもがその行動を取るのは以下の事が考えられるからです。

  • ストレスが溜まっている
  • 力加減が出来ていない
  • 先を見通す事が出来ない

上記のような原因に該当すると、幼児期のみならず、成長していってもその問題行動が続く可能性が考えられます。

そうならない為にも、早めの対応が求められます。

ストレスが溜まっている場合

ストレスが原因の場合は、まず子どもの生活環境を保護者に確認してください。

問題行動が起こるようになってから、現在までに変化した事、子ども自身に起こった重大な事故・ショックを知る事で原因解明に繋がります。

新しい兄弟が増え、保護者に甘えられないストレスを抱えていたり、夫婦仲が悪く喧嘩ばかりする環境に身を置いているなど、改善する事の出来る状況であるならばすぐにでも改善を保護者に提言します。

「おうちで〇ちゃんどんな様子ですか?」と様子を聞く事から始め、保護者が変わった家庭環境を教えてくれた場合には、「少し〇ちゃんはその事でストレスが溜まってしまっているかもしれません。

お母さんも忙しいでしょうから、大変だとは思いますが、少しだけ〇ちゃんと過ごす時間を長くすると落ち着くと思います。」と、保護者を気遣いながら子どもと過ごす時間を長くするように提言してください。

力加減が出来ていない

自分の力がどれだけのものか、どれだけの力で物を扱えばいいのか分からない子どもがいます。

そういう場合は、保育士が子どものお手本として物を扱う動作や力加減を、実際に一緒に手を添えて教えていくと改善されます。

家庭でも同じような失敗をしている可能性が高いので、「〇ちゃんちょっと〇を扱うのが難しいみたいなんですが、おうちではどうですか?」と保護者に尋ねてください。

家庭でも同じだと言われた場合は、保育園でも継続して指導していく事、家庭でも同じ様に指導をして欲しい旨を伝えて引き続き子どもが分かるまで指導していけば良いです。

中には発達障害(運動機能に著しい障害が考えられる状態)で、力加減が出来ない場合もあるので、あまりに症状が改善しない場合はさりげなく保護者に専門機関の受診を提案してみてください。

提案する時も、何度も保護者と話し合いを重ね、「なかなか力加減覚えられませんね。」から始まり、「少し専門機関にアドバイスをもらってみませんか?」と保護者に伝えると、保護者も同様に気になっている為にあっさり受診をする事を約束してくれると思います。

先を見通す事が出来ない

これも発達障害の一つですが、物事の見通しを立てるのが著しく苦手なアスペルガー症候群によく見られる行動です。

物事の前後関係を認識するのが苦手なので、何をすれば物が壊れてしまうのか分からず、興味本位から物を乱雑に扱って備品を壊してしまう事もあります。

そういった場合は、やはり一度目は様子見で保護者には伝えず、二回目は、「〇君、〇に興味あったみたいなんですが、熱中し過ぎて壊してしまってびっくりしたよね。」と壊した事を伝え、三回目、四回目と何度も報告を繰り返し、保育士が制止をかけた事も付け加えた上で、「保育園では、〇をしたら〇は壊れるんだよ、と声掛けを行っています。ご家庭でも同じように声掛けを行ってくれますか?」と提案してください。

そうして保護者と保育士で何度も注意・報告を行い合い、手を尽くした後に専門機関への受診を勧めれば、保護者も不安から専門機関を頼る選択肢を選んでくれます。

まとめ

物を壊す事は大人だってある事なので、壊す事自体は責める必要もないですし、保護者にもあっさり報告しておけば問題ありません。

しかし、それが自分で制御できない行動で壊してしまっている、ストレスから来る行動だった場合は子ども達自身も悩み、傷付いているというSOSのサインなのです。

そのサインに気付き、適切に対処して症状を抑えてあげる事が子どもにとっては一番良い方法です。

保護者にあくまで保育士は味方だというスタンスを崩さずに報告し合い、子どもの症状改善に努めてください。